TREATMENT
マタニティ歯科
(妊娠中の方へ)
マタニティ歯科(妊娠中の方へ)
昔から「一子を生めば一歯を失う」と言われるように、妊娠中に歯の健康を損なう人が多いようです。これは赤ちゃんにカルシウムを取られたからではなく、妊娠によるホルモンバランスやライフスタイルの変化によるものです。つわりで歯みがきをするのが億劫になったり、食事や間食が増えたりして、お口の中の環境が悪くなることで、虫歯や歯周病が悪化してしまうのです。出産後は育児で忙しく気軽に治療に行くことが難しくなるため、妊娠中期(安定期)のうちに治療を受けておくことをおすすめします。
マタニティ歯科の基礎知識
妊娠中に歯の治療は可能?
妊娠中でも基本的にはほとんどの治療が可能です。歯科で使用するレントゲンや麻酔なども心配ありませんが、不安な方は安定期に入ってから治療を受けられた方がより安心でしょう。治療を受ける際は、妊娠中であることを必ず歯科医師に伝え、適切な配慮をしてもらいましょう。
妊娠中の歯の治療の時期は?
原則的に行ってはいけない時期はありません。しかし、妊娠14週までは流産の多い時期のため、通院などの負担を考えると避けた方がよいでしょう。痛みなど緊急を要する場合、14週目以前はにとどめ、改めて15週目以降の安定期に通院を再開することをおすすめします。
妊娠期間と治療時期の目安
妊娠初期
〜4ヶ月
(〜15週)
特に4週〜8週は慎重に。
積極的な治療は控え
緊急の場合は応急処置のみ。
妊娠中期
5〜7ヶ月
(16〜27週)
いわゆる安定期。
通常の歯科治療や
レントゲン撮影も可能。
妊娠後期
8〜10ヶ月
(28週〜)
無理な姿勢の受診による
早産などリスク回避のため
必要あれば応急処置のみ。
治療
応急処置
通常治療が可能
応急処置
薬
極力使わない
抗菌薬や鎮痛薬のうち
一部を使用する
抗菌薬や鎮痛薬のうち
一部を使用する
麻酔
極力使わない
局所麻酔は可能
一部の局所
麻酔薬は避ける
妊娠中にかかりやすい歯の病気
虫歯・歯周病
妊娠中は食生活の変化や、つわりによる嘔吐で口腔内が酸性になりやすく、通常より虫歯や歯周病のリスクが高まります。
妊娠性歯肉炎
妊娠初期のホルモンバランスの変化が歯肉に影響し、歯茎の出血や腫れなど歯肉炎を起こりやすい状態になります。
妊娠性エプーリス(妊娠腫瘍)
女性ホルモンが増加する影響で、歯茎に赤いコブのような塊ができることがあります。通常は自然になくなり無害です。
口腔乾燥症(ドライマウス)
ホルモンの変化やつわりによる水分摂取の減少が原因です。唾液が少ないと口腔内の自浄作用を低下させ、お口の健康に悪影響を及ぼします。
安定期になったら受診のすすめ
健康な赤ちゃんを生むために歯周病が進行すると、炎症性物質が血流に乗って全身に広がり、早産や低出生体重児のリスクを高める可能性があります。適切な口腔ケアでお口の中を清潔に保ち、ゆったりした気分で出産に備えましょう。
マイナス1歳からの予防歯科
妊娠中の適切な治療と口腔ケアが
子どもの虫歯予防につながります。
虫歯は感染症なので、生まれたばかりの赤ちゃんには虫歯の原因になる細菌を持っていません。
ところが、家族とのスキンシップや食べ物のシェアなどにより、大人の唾液を介して赤ちゃんに細菌が感染してしまうことがあります。そのため、お母さんを含む赤ちゃんと接する機会のある大人全員がお口の健康を保つことが大切です。
妊娠中のお口のケア
歯磨きとフロス
特につわりのある妊娠初期には、体調の良い時に短時間の歯磨きを小まめに行ってみましょう。
十分な水分摂取
口腔内の潤いを保つために、十分な水分を摂取しましょう。
食生活の管理
砂糖を多く含む食べ物・飲み物の摂取量に気をつけて、間食後は水で口をすすぎましょう。
禁煙・禁酒
喫煙やアルコールの摂取は歯と歯茎の健康に悪影響を及ぼすため妊娠中は控えましょう。
安定期になったら受診のすすめ
生まれてくる赤ちゃんのためにプロフェッショナル・クリーニングで
健康なお口を保ちましょう
SPECIAL COLUMN
胎児の歯は
いつから生えてくる?
胎児の歯の発育は、妊娠6〜7週目頃から始まります。口腔内の歯の基盤が形成され、歯の芽(歯胚)が顎の中に発生します。12〜16週目には、歯のエナメル質と象牙質が形成され始めます。20〜24週目には、歯の石灰化が始まり、歯の硬い部分が徐々に形成されていく、歯が強くなるための重要な過程です。 妊娠中に十分なカルシウム、ビタミンDを含むさまざまな栄養素をバランス良く摂取することが、胎児の歯の発育に必要です。適切な栄養管理と口腔ケアによる万全の体制で赤ちゃんを迎えましょう。
関連リンク
治療の流れ
妊婦のみなさまへ
以下のご紹介内容は基本の治療案内になります。
妊婦の方も安心してご来院いただけるよう、お一人おひとりの状況に応じて、
個別にご案内・ご対応させていただいております。
不明な点はお気軽にお問い合わせください。
[初診]カウンセリング・検査 90分
カウンセリング
問診表に記入いただき、専任のカウンセラーが患者様のお話をじっくりと拝聴し、丁寧なカウンセリングを行います。信頼できるパートナーとして、一人ひとりの悩みや不安に寄り添います。ご不明な点も遠慮なくご相談ください。
口腔内スキャナ撮影
最適な治療に必要なレントゲン写真を含めた、最新の装置を用いた精密検査を実施させていただきます。
※妊娠中の方は症状に応じてレントゲン撮影をします。
3D口腔内スキャナ「iTero(アイテロ)」
歯科専用の小型カメラです。2分程度のスキャンで、快適かつスピーディーに歯型を取ることもできる最新機器です。従来に比べて患者様の負担が軽減しています。また、患者様ご自身もお口の中の状態を画面ですぐ見ることができます。
※口腔状態によっては写真撮影に変更する場合があります
歯周病精密検査
歯科衛生士が歯周病についての説明をさせていただいた後、歯周病の進行状況を詳しく調べます。
説明・
歯科医師からの説明
初診検査後に行うカウンセリングです。患者様の口腔内の状態や診断結果を、写真やレントゲン画像を用いながら分かりやすくお伝えし、最適な治療計画を提案いたします。治療内容や費用、期間など疑問や不安を解消し、納得して治療を進めさせていただくための大切なステップです。
痛みを取り除く治療
初診時に主訴の改善を中心に、をいたします。
[再診]各種治療
次回のご予約をいただき、必要な治療を開始します。治療内容については、歯科医師・歯科衛生士より都度説明をさせていただき、患者様の納得の上で治療を進めます。
歯磨き指導・歯石除去
磨き残しの癖を知り、正しい歯磨きのテクニックをお伝えします。歯科衛生士が、歯垢はもちろん歯茎の上や中にもぐり混んでいる歯石(バイオフィルム)を徹底的に除去します。歯石除去完了後に歯の表面をツルツルに仕上げます。
治療
歯周病治療と並行しながら、歯の治療(虫歯治療等)を進めます。症例によっては高度治療を提案する場合もあります。
[定期健診]アフターメンテナンス・ケア
治療おつかれさまでした。
お口の快適な状態が今後も維持できるように、しっかりとアフターメンテナンスをいたします。定期的なメンテナンスとケアを行うことで、疾患の再発を防止し心身の健康が保たれ、また無駄な治療費を抑えることにもつながります。
予防歯科スタート:3カ月ごと(推奨)
現状チェックおよび徹底的なクリーニングで、お口の中をリセットします。不具合があれば処置いたします。 小野歯科医院では「予防歯科」を普段の健康管理に欠かせない運動・食事・睡眠と同じレベルと捉えています。 1回の定期検診費用4,000円前後(内容により個人差はあります)で可能な健康管理「予防歯科」をおすすめします。
痛くなる前の定期検診で、
生涯の快適性・審美面・経済性がアップします。
『予防歯科』でお口の健康と美しさを保ちましょう。
Q&A
マタニティ歯科(妊娠中の歯について)に関する
よくある質問をまとめました。
そのほかの質問も気軽にお尋ねください。
妊婦歯科検診は必要ですか?
妊娠中のお母さんのお口の健康は、産まれてくる子どもに影響します。
また、出産してから歯科に検診に行くのは難しい(お母さんは忙しい!)場合が多いです。意外と妊娠中の方がお母さんは自分の時間があるので、今のうちに歯医者に行きましょう。
歯科医院で妊娠中だと伝えるべきですか?
妊娠週数を問わず妊婦であることは必ず伝えてください。 妊娠中であることを考慮した検査や治療が必要になります。 遠慮なくお申し付けください。
妊娠中にレントゲン撮影をしても大丈夫ですか?
歯科で扱うレントゲン撮影による放射線の量は胎児に影響はありません。当院では、腹部に放射線を遮断する防護服を着用して撮影するので安心です。
妊娠中の虫歯が心配です。
レントゲンはどうしても撮りたくないのですが、治療できますか?
当院で使用している口腔内スキャナーで、虫歯があるかどうか分かります。
これは放射線ではなく、NIRIという特殊な光で虫歯を見つけます。NIRIは身体に全く危害性がないので、非常に安全です。
妊娠中に麻酔をしても大丈夫ですか?
歯科で行う麻酔は局所麻酔(カートリッジ2〜3本まで)なので、やむを得ず麻酔を行ったとしても胎盤を通して赤ちゃんに届くことはありません。
ですが、まずは麻酔が必要な症状にならないよう予防を心がけましょう。
歯科医院で処方された薬は、飲んでも大丈夫ですか?
妊婦さんにはお薬を処方しないよう努めています。やむを得ず必要な場合には、担当の産婦人科医と相談いたしますのでご安心ください。